札幌の夏といえばなにを連想するだろう。
ジンギスカン? すすきの祭り? いや、違う。大通ビアガーデンだろう。
札幌の中心部にある大通公園が約一キロに渡り、ビアガーデン会場へと変わる。席数はなんと約一万三千。
日本一大規模なビアガーデンを札幌市民は毎年心待ちにしているのである。

ビールの種類も豊富で、大手日本ビールメーカーに始まり、世界各国のビールも楽しめる。
ビールだけでなく、フードメニューの種類も豊富のためお酒を飲めなくても楽しめること間違いなし。
北国の短い夏を楽しむために、道民は寒い冬を乗り越えてきたといっても過言ではないだろう。

会社帰りに一杯、休日に昼間から一杯。
夏の暑さに負けず、外に出て頑張った自分へのご褒美となる黄金色のビール。
キンキンに冷えたこいつを体に入れるためだけに、一日頑張っているという者も少なくはないだろう。

…………だが、例の新型コロナウィルスの蔓延により、今年もビアガーデンの中止が決定された。
すすきの祭りもない、よさこいだってない。
北海道の寂しい二度目の夏がやってきた。

街にいつもの賑わいはない。
いつもは会社帰りに賑わいを見せる夜の街だって、時短営業、酒類の提供禁止で活気がなくなっていた。
自分がよく通っていた店もいつの間にか一つ、また一つと消え。街の顔もどことなく変わったように見える。
ふと大通の傍を通っても、いつもなら見えるはずのビアガーデンの賑わいが見えることもない。

一体いつまでこんな生活が続くのだろう。
皆マスクをつけて歩くことが当たり前の日々になり、外食する機会も格段に減った。
仕事を失い、大切な人を失い、皆心身共にいろいろなものをすり減らしている。でも、それでも今日も生きている。
北海道だけではない、日本中が、どうにかして生き残ろうと踏ん張り続けている。
いつか、こんなことがあったのだと笑って過ごせる日が来るのだろうか。

また、マスクをとって、時間を気にせず、人数を気にせず大人数で笑い合いながらテーブルを囲む。
来年こそはビアガーデンが、札幌の街に夏の風物詩が戻ってきていることを祈るばかりだ。