鹿がいる場所といえば、どこを想像する?
今、恐らく殆どが奈良の鹿を思い浮かべたことだと思う。
確かに、鹿といえば奈良だろう。修学旅行で行った奈良公園の鹿にしかせんべいを取られた人も少なくはないだろう。
——今したいのは奈良の話ではない。
よく考えてほしい。恐らく道民も鹿といえば奈良を想像した人が多いかと思うが、北海道にも鹿がいることを忘れてはいけない。それもエゾシカというかなり大きな鹿が。
峠にいけば鹿のシルエットを模した、「鹿飛び出し注意」の標識が立っている。
彼らは本当に突然何の前触れもなしに急に車の前に飛び出してくるのだ。対処できずぶつかってしまうと、車の方がダメになってしまうこともあるし、可哀想なことに鹿の方が死んでしまうこともある。最悪、鹿を避けようとして事故を起こし人の方が怪我をする——なんてことも起きてしまうのだ。
しかし野生の鹿にお目にかかるのは最早運だ。何度も見られることもあれば、どれだけ見たいと思っても遭遇できないこともある。かといって動物園に行っても、ガラス越しや柵越しで距離があり中々目の前で見ることは叶わないだろう。
そんな北海道にも奈良のように間近でシカを見られる公園がある。
それは安平町にある『鹿公園』キャンプ場も併設するその公園には、名前の通り鹿がいる。
奈良公園のように鹿が自由に歩き回っているわけではないが、囲いの中にエゾシカが放牧されており目の前で見ることができるのだ。
「……でっか」
エゾシカを目の当たりにして思い知る。
想像しているシカよりも、でかい。こんな大きな鹿と衝突したらそれは交通事故よりも酷いありさまになるだろう。
こんな大きなものが突然目の前に飛び出されたらそりゃあ避けられるはずもない。飛び出し注意標識の必要性も少しは理解できるかもしれない。
だがやはり動物というものは癒される。
草をもさもさと食べている様はずっと見ていても飽きることはないだろう。
是非一度、北海道の鹿をご覧あれ。